腰麻痺は、牛の腹腔に寄生している指状糸状虫が蚊を媒介して、ヤギに感染し、体内を移動するうちに、神経組織を損傷する寄生虫の病気です 牛は腹腔内に移動して病害が出ることはありませんが、ヤギでは子虫が脳脊髄神経に迷い込み、神経細胞を刺激したり、破壊することによって運動障害などを引き起こします シバヤギやトカラヤギには問題が少ないようですが、ザーネンなどヨーロッパ系の品種に多く発症します
症状としては、
・腰部・後肢の麻痺
・歩様のふらつき
・起立困難
・斜頸(頭頸部が片方に傾く)
・顔面神経麻痺によるよだれ、ごはんが食べられなくなる
・前肢の麻痺
があげられます
症状が出たら、速やかに駆虫剤の投与を行い、抗生物質や炎症を抑える薬、点滴などを行っていきます 素人療法は控え、獣医に相談しましょう
イベルメクチン系の製剤が予防や治療に使われます 私はエピリネックストピカルというエプリノメクチン製剤を使っています ミルクの出荷制限ゼロで搾乳中のヤギに駆虫ができる製品です 体重10kgあたりに1mlを、背線部のき甲から尾根にかけて直線的に注ぐだけです
私は、他の内部寄生虫の駆虫は行いませんが、指状糸状虫は年に1度予防しています 蚊は風にのって2-3km飛びますので、近くに牛舎がある環境では、蚊の居る時期は15日置きに投与することが良いとされています 私が敢えて年1度のみの投与に抑えている理由は、近傍に牛舎がないことと薬への対抗性を高めたくないためです
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